バラした部品を再度点検していきます。
スイングアームは、左側スリーブの動きが悪いので何か問題がありそうです。
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よく見ると、ピボット部分外側に深いキズが付いています。
走行中に外れたスプロケットが噛みこんだのでしょう。
ベアリングの外筒がわずかに変形していたのが動きが悪い原因のようです。
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フレーム側にもスプロケとチェーンが挟まってできたであろう変形がありました。
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どうやら、フレームの塗装はこのトラブルのあと塗られたようです。
エンジン側にダメージが無かったのは、
エンジン交換されているからかもしれませんね。一応エンジンは同じJ2でした。
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というわけで、スイングアームは左側のストック品と交換することに。
ベアリング交換とリペイントされたものです。
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このスイングアーム、幅がわずかに広いのでそのままでは入りません。
ジャッキでフレーム内幅を0.5ミリ程広げてやります。
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フレームの他の部分で気になるのはサイドスタンドブラケット。
溶接が不自然なので一回付けなおしたもののようです。
ヨーロッパ仕様のこの張り出しの大きいタイプのブラケットは、
バンクすると接地しやすいということもあるので、
この際脱着式に交換してしまいましょう。
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さて、エンジン部品も洗浄しながら点検していきます。
ストレーナーが目詰まりしていたオイルポンプは分解洗浄で再生できそうです。
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先ほどエンジンはJ2と断定したのは、エンジン番号から判定したものです。
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このカワサキ発行のレコグニションマニュアルには、
ほとんどの輸出車のデータが載っています。
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J2のページには、エンジン番号は007901からとあります。
J3は039301からなので、このエンジンはJ2だとわかります。
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ガスケットを剥がしていくと、下地にかなりキズが目立ちます。
これはシリンダーのベース面ですが、他の部分もみな同様でした。
全てオイルストーンで修正できるレベルではありましたが、
前回の作業品質はあまり良いとは言えないようです。
こういうエンジンはどこかにトラップがあるかもしれないので安心は禁物。
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シリンダー内壁にはうっすらとサビもありました。
画像では解りづらいですが、
各シリンダー、ピストンリングが止まっていた位置に線状にサビがあります。
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フレックスホーンをかけてみます。
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サビと軽いスカッフはとれたので、シリンダーは継続使用できそうです。
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フレームはこの通りリペイント済みで結構きれいです。
しかしこの33年の間、想像もつかないことがいろいろあったことでしょう。
改めて今回リセットしていきます。