真ん中がこれからカスタムする1000Jです。
両サイドの車両が現物見本となるので、
並べて遠目に見て、完成の姿をイメージしてみます。
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さて、試運転してエンジン不調と異音が確認できたので、
どこまで手を入れなければならないか見極めます。
コンプレッションは正常です。
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コイルの赤い方の端子は、
真鍮のナットが樹脂の中で空回りしているので緩めることができません。
ギボシの根元が折れそうだったので、
そのまま切断してコイルを取外します。
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ヒューズの端子は腐食が酷いので、BOXごと要交換。
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カム周りは綺麗ですが、バルブクリアランスが規定値外です。
カムホルダーのM6ボルトは、緩いところを増し締めし、
しっかりトルクがかかることを確認。
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カムチェーンは大きく弛んでいます。
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マニュアルテンショナーの元々の寸法が15ミリでした。
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適正値に張りを与えるには、4ミリ突き出して11ミリにする必要がありました。
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チェーンの伸びも多少はありますが、
テンショナーで押しているカムチェーンガイドが大きく凹んでしまうので、
マニュアルテンショナーは、常時メンテナンスが必要です。
激しく走らないのであれば純正のオートテンショナーが適しています。
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キャブホルダーは、ポートに貫通しそうな位のクラックが入っています。
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インテークバルブは皆、綺麗な状態です。
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ヘッドナットは、半数位がトルク低下しているので規定値に増し締めします。
シリンダースタッドがスチール製であるのに対し、
シリンダーとヘッドはアルミなので熱膨張係数が大きく、
運転・停止のヒートサイクルを繰り返すとヘッドガスケットがヘタってきます。
厚さ20センチ位のアルミが熱膨張すると、バカにならないほど寸法が増えます。
すると、ボルトの軸力は冷間時に対し温間時はかなり上昇することになります。
先ほどの試運転で3番気筒が失火気味だったので、
原因を切り分けるためとりあえず新品キャブを付けて始動確認します。
異音は無くなったのでエンジン本体はとりあえずOKです。
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再度試運転してみると、出力は問題なし。いたってスムーズで力強いです。
他には、クラッチの遊びが変化するので要点検。
エンジン周りの修理代は、だいたい見当がつきました。
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他にも、不具合が見つかれば大きな費用がかかるようなところを潰していきます。
リヤホイール、スイングアームなどは問題なし。
ホイールセンターもOK。
リヤローターはワークスタイプΦ234ミリに変更するので、
ローター取り付け面とスイングアーム側のトルクロッドのアライメントから、
ローターのアライメントを設定してワンオフ製作します。
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リヤショックは当時物ワークスパフォーマンスを捜索中。
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リヤスプロケに内側だけの偏摩耗有り。
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フロントスプロケに外側だけの偏摩耗あり。
どうやらチェーンラインがズレているようです。
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フロントスプロケのオフセットは15ミリ位あるので、
ノーマルより10ミリ程出ています。
リヤスプロケはノーマルチェーンラインなので、
チェーンラインの前後ズレは約10ミリあるようです。
フロントスプロケを変更しましょう。
ここまで分かっていれば、これからの見積もりが大きく外れることはなくなるでしょう。
お好みのメニューをチョイスしてください。
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