スターターが空転してエンジン始動できなくなったとのこと。
お宅まで引き上げに行ってきました。
スタータークラッチの消耗でしょうか。分解点検します。
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はじめ、引っかかりながらも始動できていたそうですが、
とうとう全く引っかからなくなったそうです。
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現状はこんな感じ。完全に空転しています。
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ジェネレーターカバーを外します。
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スタータークラッチの噛みつき具合をチェックしようと、
スターターギヤを回すとマグネットローターごと回転します。
センターのボルトは止まったままです。
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その動画がこちら。
IMG 0925
どうやらボルトが緩んで、キーも飛んでしまったのかもしれません。
ボルトを緩めようとすると、ネジロック剤の抵抗はあります。
外したボルトをよくみると「7」の浮き出し文字があります。
これではチューニングエンジンとしてはトルクアップできず強度不足では。
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ローターを外すと、テーパー面には擦れた痕があります。
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クランクにあるはずのキーはどこでしょうか。
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よく見ると、キーは綺麗にせん断されています。
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ドライバーで片側をたたき、打ち出します。
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折れ込んだキーが取れました。
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ローター側にも片割れが残っています。
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うまく取り出せました。
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元々このキーは、ローターの空転を防ぐほどの強度はないので、
ボルトが緩むとこのように簡単にせん断されてしまいます。
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新品のキーはこんな形です。
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強度不足であろうボルトの方は、かなり伸びてしまっています。
高い締め付けトルクに耐えられず、伸びて塑性変形したのでしょう。
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首下直下は伸びているのでピッチが広がっています。
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チューニングエンジンなので、
最大限高強度のボルトを使い、高い締め付けトルクで取り付けたいところです。
代用は、M8のクロモリのキャップボルトでOKです。
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厚いワッシャーを挟んで、締め付けトルクは3.5kg・m以上は必要でしょう。
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スターターギヤの中心部分は、かなり圧痕が付いているのでこちらも交換時期です。
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ローラーにも縦に圧痕が多数あります。こちらも要交換。
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テーパー部のキズはそれほど深くは無いようです。
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バルブコンパウンドを付けて、擦り合わせしてみます。
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強く押し付けながらグリグリ回します。
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手ごたえが出てきたのでこのくらいで大丈夫でしょう。
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洗浄して差し込むと、クッと噛みつく感じです。
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しばらく交換部品の入荷待ちです。