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CR33 MJN考

先日のTOTでは、MJNが攻略できずに失敗しましたが、
次回に向けて更にMJNを研究します。

イメージ 1

ノズルの上部には、通常のニードルと同じようにクリップ溝が数段切られていますが、MJNは3段あります。
イメージ 2
ニードルテーパーの切り上がり位置を調整するのと同じように使うとばかり思い込んでいましたが、
それよりも重要なことがありそうです。
通常、同調はスロットル全閉付近でのみ取りますが、
MJNの場合は全開位置でも同調をとる必要があるみたいです。
下の図は、スロットル全開時をイメージしたものですが、
ボアに出てくるノズルの穴の数が、
4気筒とも同一になることで各気筒の空燃費が同じになるのが正しい状態です。
※実際に、ノズルの穴はポートの方向に対して直角方向にあるので、
ポートを覗いても穴は見えません。解りやすいように書きました。
穴の数も実際とは異なります。
イメージ 6
ところが、普通に全閉付近で同調を取っただけだと、
全開位置のスロットルバルブは、2ミリ程度の高さの違いが出てきます。
ボアをのぞいてスロットルを開けていき、全開になる瞬間を見ていると、各気筒にばらつきがあります。
通常、全開ストッパーはもっと上に設定されているので、
スロットルバルブはボアの上端より更に上に上がったところで止まります。
このばらつきにより、上の図のようにノズルの穴が各気筒とも揃って全開になるべきところが、
そうならないのです。
ある気筒では最上部の穴が隠れるか、最下部の穴が出てこないかといった状態が起こりえます。
そこで、全開時のノズルの同調を取る方法として、先ほどのクリップ溝の段を使って、
全開時に全てのノズルの高さをそろえてやります。
同時に、全開ストッパーも調整することで、各気筒とも同数の穴がボアに出てくるようにします。
弊害として、下の画像のように、全開時でもスロットルバルブが少しボアに出てしまう気筒ができてしまいます。
調整後、ノズルの穴の位置を鏡を使って確認します。
ボアに出てくる穴の数は、各気筒とも同数に調整されました。
#1 クリップ段1
イメージ 7
#2 クリップ段2
イメージ 8
#3 クリップ段1
イメージ 3
#4 クリップ段1
イメージ 4
まだこれで走行していないので推測になりますが、
このセッティングだと、クリップ段が揃っていないので、
1/4以下などの低開度ではボアに出てくる穴の数が、各気筒でバラつく可能性があります。
その場合は、そこを受け持つスロージェットやエアスクリューなどで補正することになるでしょう。
気筒ごとにスロージェットも違ってくるかもしれません。
レースユースの場合、全開時のセッティングを最優先しておかないと、
全開時の空燃費のバラつきは、セッティングを詰められないばかりか、
一番空燃費が薄い気筒がダメージを受けることになりかねません。
レース前にシャシダイで計測した空燃費の波形が、大きく右上がりになっていたのは、
CR用MJNのセッティングの難しさの現れでしょう。

イメージ 5

6500rpmから9500rpmまでの間に、空燃費が11から14.5まで変化しています。
実走でベストと思えたセットを計測したものですが、
高回転時の空燃費14近辺は薄すぎて危険な状態です。
しかし、これ以上MJを大きくすると7000rpm以下では空燃費が濃すぎてまともに加速しません。
走行中は、全開時より1/16位戻したところが一番パワーが出ていたのでおかしいなと思っていました。
シャシダイ計測は別の方にお願いしたので、おそらく6000rpm前後からスロットル全開にしたんだと思います。
最大出力が小さめなのはそのせいです。
5000rpm以下の計測は省略してもらいました。
計測時の主なセッティングデータは次の通りです。
CR33 MJN付き
MJ       #162
SJ       #60
クリップ段  全気筒 3段中2段目
カム  ヨシムラST-Ⅱ
ピストン  ワイセコφ73 1105cc
パワーチェックの様子
このデータは、初めに書いた全開時のノズルの同調を取るということが解る前でしたので、
次回の計測結果が気になります。

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