オイル漏れがあるリヤショックのオーバーホールなどを兼ねて、
車両全体点検のご依頼です。
この状態で個人の方から購入されたそうで、
念のため一度全体を点検しておきたいとのことでした。
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リヤショックは左側のみややオイル漏れがあります。
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オイルが抜けているせいか、
インナーフェンダーにはフルボトムでタイヤが接触したあとがあります。
タイヤの逃げのないフラットなインナーフェンダーなのも原因でしょう。
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オーバーホールに出すためリヤショックを外します。
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リヤショックのアッパーマウントは、
段付き部でワッシャーが止まっていたので締め付けできていない状態でした。
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外したリヤショックがこちら。
プリロードは左右異なっています。
エンドアイも片側は手で緩む状態でした。
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引き回しの時から車体のどこかにガタを感じていたのですが、
その主な原因がわかりました。スイングアームピボットに大きなガタがあります。
リヤショックを外した状態でリヤホイールを左右に揺すると大きくガタつきます。
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その動画がこちら。
OVER製のスイングアームは、
ピボットにテーパーローラーベアリングが使用されているものが多く、
中央にディスタンスカラーがないのでフレームをピボット部で締めあげて
取り付ける構造になってます。
故にこの部分にトラブルが多いです。
次に、インナーフェンダーとタイヤの干渉を確認するため、
リヤショックを付けないでホイールを上げていきます。
接触した状態でリヤショック取り付け長さを測ると、
フルストロークでほぼクリアランスゼロでした。
車高はこれ以上上げない方がいいのでもう少し余裕が欲しいところ。
ノーマルインナーフェンダーに戻した方が無難です。
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チェーンの張りも強かったので、
前後スプロケとピボットが一直線に並ぶところで張りを確認します。
スイングアームにガタがあったにも関わらず、
ものすごいテンションがかかっています。
ピボットにガタ発生したのはチェーンの張り過ぎが原因のようです。
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リヤショックのアッパーマウントは、
段付き部分がワッシャーで斜めに押されてできた盛り上がりがあり、
それをヤスリで修正しておきます。
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これでスムーズに通るようになりました。
ここに使うワッシャーは、内径が正確にφ14ミリかφ12ミリでないといけません。
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スイングアーム側のショックマウントのスパンも確認しておきます。
フレーム側より10ミリほど広いようです。
グラブバーが付いていたので、アッパー側は広げずにハの字に付けていたようです。
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リヤスプロケットはやや摩耗が進んでいます。
内側は大きく削れているので、チェーンラインが合っていないか、
スイングアームがガタの分斜めになって走行していたかもしれません。
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フロント周りもガタがあるのでリフトアップして点検します。
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フォーク下端を持って前後に揺すると、
ステムベアリングの辺りでガタつきます。
また、左側ブレーキホースは短すぎるので、
フォーク伸び切りで突っ張ってしまいます。
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ホースを長くするか、ハンドルを低くするなどの対策が必要です。
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例によってジェネレーターの配線付近からもオイル漏れがあります。
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エンジンマウントのフロントアッパーには、
本来このようなU字型のワッシャーが入りますがこの車両には付いていません。
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ワッシャーは4ミリほどあるので、
現状はエンジン前側が左に4ミリほど引っ張られている状態です。
右側のエンジンハンガーは少し斜めになっています。
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エンジンハンガーに定規を当てると、前方に開いているのがわかります。
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上の定規はヘッドに並行です。
下の定規はエンジンハンガーに並行です。
さらに点検が続きます。