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S1キャリパー開発の進捗

開発中のS1キャリパーのレプリカについておさらいします。
原型はS1より先のKR350用に作られたのがはじまりなので、
もともとKRキャリパーと呼ぶそうですがS1キャリパーとしておきます。
下の画像、上段は資料用のS1キャリパー、
下段は当時のハイポイント製S1キャリパーと、弊社の試作品S1キャリパーです。
イメージ 1
弊社S1キャリパーの鋳造用砂型を作るための木型です。
型の割りは、コストを優先した作りに変更しています。イメージ 20
こちらは鋳造したままの未加工品です。1セット約1.4キロ。
材質は高強度アルミ鋳物材のAC4C-T6です。
T6熱処理により、強度を一層高めてあります。
材質・熱処理ともに、広く一般的に自動車用部品などに使われているものです。イメージ 21
それを削りだしたものがこちら。
イメージ 25
加工上がりで約900g。
イメージ 22
ちなみにロッキード2PODが約870gなので、それよりやや重い程度です。イメージ 23
大きさを比較します。
全長はロッキードの方がやや大きめ。
イメージ 2
イメージ 3
厚さもロッキードの方があります。イメージ 4
パッドは左下がトキコ製のS1キャリパー純正品、
右がロッキード用で、こちらの方が幅が狭いです。
ピンの位置とサイズも異なります。
イメージ 26
弊社のS1キャリパーはロッキード用パッドが適合するようにしてあるので、
さまざまなメーカーのレーシングパッドが使えます。
イメージ 5
ピストン径は、初めはZ1000R1純正サイズで製作し、
シールもカワサキ純正を使えるようにしていました。イメージ 6
シール溝は専用の溝切りバイトで加工します。イメージ 7
Z1000R純正ピストンシールを入れたところです。イメージ 8
後に、S1キャリパーの純正サイズ互換シールが見つかったので、
本来の大径ピストンも自由に組めるようになりました。
イメージ 9
ブレーキチューブは汎用の材料から作ります。
ニップルはM10×1.25、チューブはφ4.75ミリ。
イメージ 10
ブレーキチューブは長い物から切り出して作ります。イメージ 11
先ず、片側のフレアを作ります。
イメージ 12
ニップルを2個通したら反対側のフレアを作ります。イメージ 13
フレア加工が済んだらブレーキチューブ用ペンチ型ベンダーで曲げます。
一般的なベンダーより、ペンチ型の方が小さいRで曲げられるからです。イメージ 14
コの字型に曲げてチューブは完成です。イメージ 15
イメージ 16
こちらは当時のS1キャリパーです。
脱着の際ホイールに当たらないよう低く設定されていますが、
このように曲げるのは意外に困難です。
専用の型を作るか、慎重に手曲げするかでしょうか。イメージ 24
そしてベンチテストを経て、現在まで耐久走行テスト中です。
レースなどでサーキットを走行したり、
それ以外は公道でワインディングや一般市街地を走行しています。
イメージ 17
刻印の「R01」は、「試作第1セットの右側」という意味です。イメージ 18
今のところ、ロッキード2PODに対し剛性感、コントロール性などは同等、
効きはピストン径が大きい分効くといった感じです。
もちろん、雨の日のテストも欠かせません。イメージ 19
残る課題はコストダウンです。
現状は、1個20万円(税抜き)でモニター提供可能です。
その際は、情報のフィードバックが条件となります。
また、純正S1キャリパーのオーバーホールも承ります。
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