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角Z1000 エンジン異音の点検

今日の朝練でエンジン異音が酷くなったので点検します。イメージ 1

音の感じは複数あり、ひとつはカム周りのような周期の音なので、
先ずはヘッドカバーを開けてカム周りを点検します。
始動性や、パワー感は正常でした。
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見える範囲のカムチェーンローラーや、
チェーンの張りには異常はありません。
バルブクリアランスも全ヶ所異常無し。イメージ 3

カムホルダーの締め付けトルクも全て異常無し。イメージ 4


シリンダー内を内視するも、4気筒とも異常はありません。イメージ 5

手回しでクランキングしても異常無し。
スターターでクランキングするとこんな感じです。

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もう一つの異音として、
カムチェーンの1周で1回発生するような異音があります。
よく見ると、インテーク3番がリフトするところだけ、
スラスト方向に1ミリほど動きます。
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その動画がこちら。

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No.3のカムホルダーを外してみます。イメージ 9

スラスト押さえの部分が、エンジン左側のみ摩耗しています。イメージ 10

こちらは暫定で別のエンジンのカムホルダーを流用してみます。
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スムーズに回ることを確認の上、スターターでクランキングしてみます。
この周期的な音は止まったようです。

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スラスト力が発生していたカム山のシムにはややキズが見られたので交換します。
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もう一つの異音はパルシングカバー内からです。
進角ガバナーのスプリングに異常があるようで、回転方向にガタつきます。イメージ 6

ガバナーを外してみると、バネは緩くなっていて回転方向に大きな遊びがあります。イメージ 7


ガバナーの溝も摩耗が進んでいます。イメージ 8


ガバナーの方は、バネを正常な物と交換し、
ダイナのトリガーはストック品の新品と交換します。イメージ 14


グリスも切れていたので、耐熱グリスを塗布して組み付けます。イメージ 15

この後、エンジンを組み立てて始動してみますが、
クランクに響くような異音は依然として残っています。
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更に、クラッチハウジング周りを点検します。
特に異常は無く、ダンパースプリングの折損などは無さそうです。
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クラッチハウジングのバックラッシュも正常なので、
クラッチ板の無いこの状態でエンジンを始動してみます。
ミッション側は止まっていても異音が出るので、
音の出所はクランク周りに絞られました。
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もう一度カムチェーン周りを疑い、テンショナーを点検します。イメージ 18

ストロークもまだ十分余裕があり、特に異常はありません。イメージ 19

ジェネレーター周りを点検します。
異音は主にエンジン右側から聞こえる感じなので、
こちらの点検は後になってしまいました。
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特に緩んでいる箇所もありませんが、スターターギヤはフリクションも無く回り、
勢いよく回すと聞き慣れた例の異音がします。
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その動画がこちら。回転とともにゴツゴツゴツと音がします。

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マグネットローターを外して点検します。
ベアリングやクランクには異常はありません。
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その他、特に損傷は無いように見えます。イメージ 24

ワンウェイの締め付けトルクも正常です。
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スターターギヤをワンウェイの上で高速回転すると例の異音がします。イメージ 26

その動画がこちら。

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スターターギヤのローラーが噛みあう面は、
触ってみると圧痕というより、かなり多角形に摩耗しています。
動画で見るとこんな感じ。

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とりあえず、スタータークラッチ一式を交換することに。

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